Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Leggi 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.094 caratteri · 411 schermate

Aozora Bunko

天主閣

一

新九郎も俄かによろめいて焚火の上に小膝を折って倒れた。ほかの者どもは驚いて、一人はあわてて新九郎を火の中から救い出した。二、三人は権右衛門のまわりに集まって介抱した。

「眼が見えぬ。胸が苦しい。」と、権右衛門は唸った。彼は起とうとして又倒れた。

権右衛門といい、新九郎といい、二人が二人までこうした不思議を見る以上、その疑いはまず眇目の男の上に置かれなければならなかった。彼のすすめた甕の水に何かの秘密がひそんでいたものと認めるのが当然であった。家来どもは今更のように眼をけわしくして、彼の方を見かえると、この混雑の間にどこへ隠れたのか、眇目の男の姿はもうそこらには見えなかった。

「あいつ、曲者じゃ。」

一同はいよいよ驚き騒いで、ある者は堂のうしろへ追って行った。ある者は堂の扉を引きめくって見た。しかも彼の影はどこにも見付けられなかった。

焚火はもう消えて来た。そのうす暗いなかで、権右衛門と新九郎とが傷ついた獣のように唸っていた。

天主閣

一

「あいつはやはり敵であった。」

弥兵衛らは顔を見あわせて溜め息をついた。かれらは権右衛門に率いられて、塩冶の一門と小坂部とを追って来たのであるが、塩冶の方は山名の追っ手に先を越されて、その功名を彼に奪われてしまった。