Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げんばくししゅう

原爆詩集

峠 三吉

Leggi 原爆詩集 (げんばくししゅう) di 峠 三吉 (とうげさんきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.927 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

炎

手と手をつなぎ

盆踊りのぐるぐる廻りをつづける

裸のむすめたち

つまずき仆れる環の

瓦の下から

またも肩

髪のない老婆の

熱気にあぶり出され

のたうつ癇高いさけび

もうゆれる炎の道ばた

タイコの腹をふくらせ

唇までめくれた

あかい肉塊たち

足首をつかむ

ずるりと剥けた手

ころがった眼で叫ぶ

白く煮えた首

手で踏んだ毛髪、脳漿

むしこめる煙、ぶっつかる火の風

はじける火の粉の闇で

金いろの子供の瞳

燃える体

灼ける咽喉

どっと崩折れて

腕

めりこんで

肩

おお もう

すすめぬ

暗いひとりの底

こめかみの轟音が急に遠のき

ああ

どうしたこと

どうしてわたしは

道ばたのこんなところで

おまえからもはなれ

し、死な

ねば

な

らぬ

か

炎

衝き当った天蓋の

まくれ拡がった死被の

垂れこめた雲の

薄闇の地上から

煙をはねのけ

歯がみし

おどりあがり

合体して

黒い あかい 蒼い炎は

煌く火の粉を吹き散らしながら

いまや全市のうえに

立ちあがった。

藻のように ゆれゆれ

つきすすむ炎の群列。

屠殺場へ曳かれていた牛の群は

河岸をなだれ墜ち

灰いろの鳩が一羽

羽根をちぢめて橋のうえにころがる。

ぴょこ ぴょこ

噴煙のしたから這い出て

火にのまれゆく