Classici giapponesi con furigana
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げんばくししゅう
原爆詩集
峠 三吉
Leggi 原爆詩集 (げんばくししゅう) di 峠 三吉 (とうげさんきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.927 caratteri · 43 schermate
盲目
のは
四足の
無数の人間。
噴き崩れた余燼のかさなりに
髪をかきむしったまま
硬直した
呪いが燻る
濃縮され
爆発した時間のあと
灼熱の憎悪だけが
ばくばくと拡がって。
空間に堆積する
無韻の沈黙
太陽をおしのけた
ウラニューム熱線は
処女の背肉に
羅衣の花模様を焼きつけ
司祭の黒衣を
瞬間 燃えあがらせ
1945, Aug. 6
まひるの中の真夜
人間が神に加えた
たしかな火刑。
この一夜
ひろしまの火光は
人類の寝床に映り
歴史はやがて
すべての神に似るものを
待ち伏せる。
盲目
河岸におしつぶされた
産院の堆積の底から
妻に付き添っていた男ら
手脚をひきずり
石崖の伝馬にあつまる
胸から顔を硝子片に襲われたくら闇のなか
干潟の伝馬は火の粉にぬりこめられ
熱に追われた盲い
河原に降りてよろめき
よろめく脚を
泥土に奪われ
仆れた群に
寂漠とひろしまは燃え
燃えくずれ
はや くれ方のみち汐
河原に汐はよせ
汐は満ち
手が浸り脚が浸り
むすうの傷穴から海水がしみ入りつつ
動かぬものら
顫える意識の暗黒で
喪われたものをまさぐる神経が
閃光の爆幕に突きあたり
もう一度
燃尽する
巨大な崩壊を潜りこえた本能が
手脚の浮動にちぎれ
河中に転落する