Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あいこくしんわたしはこうおもう

和人は舟を食う

知里 真志保

Leggi 和人は舟を食う (あいこくしんわたしはこうおもう) di 知里 真志保 (ちりましほ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.567 caratteri · 144 schermate

Aozora Bunko

一人の病める老婆

医療費の催促などは、先生が白老にきてこのかた、ついぞ耳にしたこともない。

吹雪をついて、雪だるまのようになって辿りつき、ニコやかに、やさしく病人の手をとって心からなる療治をつくし、「大事にするんだよ」と一言いって、また雪のなかを引き返して行くのである。金は払えるときに払ってもらうのだ。高橋氏は足どりも軽く駆けまわっていた。治療費はどんな時でも実費以下、困っている人からは取らないという、徹底した信念の人である。

一人の病める老婆

身寄りもない、たった一人の老婆が、コタンの廃屋で病んでいた。わたのはみだした布団にくるまり、ボロボロの着物をまとい、力なく、ただぼんやりと横になっていた。そんな話をききしった先生が、毎日そこに出かけて行き、薬治に万全をつくしたことはいうまでもないことだ。

病床の老婆は、薬をもらう度毎に、「先生さん、お払いできる金がないんです、すまないからもういりません」涙をこぼす老婆に、「早くよくならなくては、この薬をのんで、横になってるんだよ」先生はどんなときでもニコニコと笑っている。老婆が気にかけていたことには一切構わず、息をひきとるまで先生はせっせと治療に通った。