Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate
たったひとつの金の蔓を、いまパチンと自分で断ち切ってきてしまった以上、もはや、どこでどうしよう当てもなかった。
この大雪でどこも早くから戸を閉めてしまった伊勢佐木町の森閑とした大通りのところどころに、世にも真っ青な瓦斯灯の灯が、シュンシュン音立てて燃えていた。
その灯に、お艶のパチッとした瞳の色をマザマザ感じた。あのやつれた美しい横顔を。
ごめんよ、お艶ちゃん。
向こうが自分を裏切って行ってしまったことも忘れて今松は、その瓦斯灯のほうへ手を高く上げた。
そして振った。
俺、かりそめにもお前のほかに、女の人と暮らそうなんて考えたりしたから、あんな化け猫婆さんなんかにぶつかってしまったんだねえ。
罰が当たったんだよ俺、お前の。
ごめんよ。
「ねえ、ごめんよ」
思わず大声で言ってしまったら、
「アアびっくり。なにがごめんだい」
だしぬけに耳もとで張りのある声がぶちまけられた。
「……すみません、すみません、ついうっかり大きな声を出してしまって」
言いながら上げた今松の顔が、いっぱい雪を載せた傘の下の、目深に襟巻と、トンビを羽織って、信玄袋を片手に、長靴履きの小さな貧相な老人の顔と正面衝突してしまった。