Classici giapponesi con furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate
元日の盆提灯
暦に出てるンだよチャンと暦に。十月から四月まではみんな春だとよ。してみりゃア今夜いい春だアな」
言い終えて、ケロリとしている。
「こいつァいいや」
「とんだ大笑えだ」
今輔も勝次郎も、見習いの前座までが思わず釣り込まれて笑い出してしまった。ドッという笑い声が、今度は楽屋から寄席へと響いていった。
元日の盆提灯
「いつまでそんなところに立ってねえで座ったらどうだイ、圓太郎」
懐手をして立ったまんまの圓太郎を見て、今輔が声をかけた。
「ウム。そうしちゃアいられねぇンだ」
圓太郎は振り向きもしなかった。
「えれえ景気だな。掛け持ちがあるのか」
意地悪そうな目を、今輔が向けた。
「よしてくれ病づかせるのは。そんなンじゃアねえ。こちとら、貧乏の“棒”が次第に太くなり、振り廻されぬ年の暮れかなだ」
「じゃアちッともいい春でもなんでもないじゃアねえか」
今輔はいっそ馬鹿馬鹿しくなって、
「なら、なぜ、師匠ンとこへ小遣いをせびりにゆかねえンだ。稽古こそ日本一やかましいが、人一倍弟子思いの師匠だ。まして当時飛ぶ鳥落とす三遊亭圓朝師匠じゃアねえか。なにもクヨクヨしていることはあるめえ」