Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate

Aozora Bunko

なんとも言えないその調子のよさ。

眼の配り。

呼吸。

どうしていつの間に習得したものだろう。

さすがに若さゆえの多少の難はところどころにあるとても、今松の話し口にはもうすっかり風格ができていた。

シーンとお客は咳ひとつしないで、おとなしく耳を傾けていた。

「…………」

なによりなにより助六が感服したのは、その態度。

心を虚にして、ガッシリ四つに組んでいるその態度だった。

日がないちんち安酒を食らって荒んでいた日の顔つきなんか、今の今松からは薬にしたくも見られなかった。

「……やがておりつは、煙草屋をあとにした。

幸いに雨は上がって、空には星が。

泥濘む夜道をものともしないで、夜目にもチラチラ艶かしく緋縮緬の裾を蹴返しながら、川越街道を、逆に江戸へ江戸へ、と」

ここのところの出来ばえがまた素晴らしかった。

おりつの、しとやかでいてなんとも艶かしい若妻姿。

艶々とした黒髪の丁字香の匂いさえ、プンと鼻先に感じられてきた。

乱暴な言葉遣いをゆるしてもらえるなら、そのままズルズル引き寄せて抱きしめてしまいたいとさえ、助六は思った。

無理じゃなかったんだ、この助六のそぞる心も。