Classici giapponesi con furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate
「ウウン。イヤだ」
圓太郎は首を振った。
「師匠からはもらいたくねえ」
「どうして」
「だって芸のことでウンと面倒を見てもらってるンだもの。このうえ、お銭のことまではいい出したくねえや」
「感心だなお前。いつどこでそんな了見を持ち合わせてきたンだ」
今輔はてにはの合わない顔をした。
「元からそうなンだよ俺。こう見えたって橘家圓太郎は文明開化の落語家だからネ。人間万事独力独行さ。第一そのほうが成功したときに精神爽快を覚えるよ」
「オヤッこん畜生。黙って聞いてりゃアたいそう七面倒くせえことを言い出したゾ。精神爽快を覚えるよだっていやがら。てめえ、そんな難しい言葉、どこで覚えた……?」
「宝丹の広告で覚えたよ」
シャーシャーとした顔で圓太郎は、答えた。
「やられた。なるほど。守田宝丹たア気がつかなかった。なら圓太郎。さしあたりこの暮れに独力独行、精神爽快を覚える金儲けを教えてやろうか」
「そんなものアありゃしめえ」
「ところがあるンだ。お前がやりゃア必ず儲かる。たんとのことにもいくめえが、元日一日で三両か五両には確かになる」
「エ、三両か五両だって――」
にわかにペタペタと座る圓太郎、今輔の傍へいざり寄っていった。