Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate

Aozora Bunko

ここが忠義の見せどころと、スッと圓太郎は立ち上がった。菰冠りがひとつドデンと据えられ、輪飾りや七五三飾りがちらばっている大きな台所へゆくと、チャンと大工道具が置かれてあった。お八重が棚板を二枚持ってきてニコッと笑っていった。

「オイきた」

その棚板を左手でかかえ、右手で鉄槌を、口で釘を三、四本含んで圓太郎は、荒神様と鼠入らずの間の板壁のところまでゆくと、瞬くうちに棚をひとつ吊りあげた。すッかりこさえあげると、二、三間離れて様子を見、また近づいてはためつすがめつしたのちに、ウムウムとうなずくと、

「できましたよ、師匠。じゃアさっそく一斗桝のほうへとりかかります」

奥の間のほうへ声をかけて、そのまんま帰っていった。

「マー、餅屋は餅屋。さすがにうまいもンだわねエ」

初めて圓太郎から男一人前の仕事を見せてもらえたそのうれしさ。大きな擂鉢とげてがかった丼を三つ四つ、急いで持って出てきた彼女は次々に棚へ載せてみた。と、その途端にだった。ガクンとひとつねじがゆるんだように棚がかしいで、ガラガラガタンと落ちてしまった。擂鉢以外の瀬戸物がみんな板の間でコナゴナに砕けて、あたり一面にちらばった。