Classici giapponesi con furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate
『おのれ参ったか』
と力に任して斬り付けると、アッというその声に驚きまして、門番の勘蔵が駆け出してきてみると、宗悦と思いのほか、奥方の肩先深く斬りつけておりました。
深見新左衛門、宗悦の祟りでいよいよ狂う。
『累ヶ淵』の発端、また、明晩へ続かせていただきます」
ぞっとするようなこの切れ場で、巧みに圓朝は話を切って、
「…………」
あたまを下げたが、不世出の名人が一言一句に擒となったお客たちは、なおもしばらくは立ちもやらずボーッと座ったままでいたが、やがてドロドロと鳴り出した楽屋の果太鼓にはじめて我に返るとドーッと万雷の拍手をおくった。
「ありがとうございます。お静かにいらっしゃいまし、お静かに」
客席の雑踏へ二、三度、声をかけると、ようやく高座を立って楽屋へ下りていったが、
「御苦労さまでございます」
「お疲れさまで」
口々に声をかける弟子のなかで、鳶のような口付きをした色の黒い勢朝が、
「師匠、お客さまですぜ」
「なに……お客様? 困ったな……」
チラッと涼しい眉をしかめて、
「……今夜は、芝の馬越さまへお招ばれなのだが、どなた様だ」
「ヘイ、それが、あの……」