Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わらわのはんせいがい

妾の半生涯

福田 英子

Leggi 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) di 福田 英子 (ふくだひでこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 64.051 caratteri · 122 schermate

Aozora Bunko

一 典獄の訓誨

伊勢へは我々一年半の刑を受けし人のみにて、十数人の同行者あり。常ならば東海道の五十三駅詩にもなるべき景色ならんに、柿色の筒袖に腰縄さえ付きて、巡査に護送せらるる身は、われながら興さめて、駄句だに出でず、剰え大阪より附き添い来りし巡査は皆草津にて交代となりければ、切めてもの顔馴染もなくなりて、憂きが中に三重県津市の監獄に着く。到着せしは黄昏の頃なりしが、典獄は兼ねて報知に接し居たりと見え、特に出勤して、一同を控所に呼び集め、今も忘れやらざる大声にて、「拙者は当典獄平松宜棟である、おまえさん方は、今回大阪監獄署より当所に伝逓に相成りたる被告人らである、当典獄の配下の許に来りし上は申すまでもなく能く獄則を遵守し、一日も早く恩典に浴して、自由の身となるよう致せ、ついてはその方らの身分職業姓名を申し立てよ」と、一同をして名乗らしめ、さて妾の番になりし時、「お前はいわんでも分る、景山英であろう、妙齢の身にしてかかる大事を企て、今拙者の前にこうしていようとは、お前の両親も知らぬであろう、アア今頃は何処にどうしているだろうと、暑いにつけ、寒いにつけお前の事を心配しているに相違ない、お前も親を思わぬではなかろう、一朝国のためと思い誤ったが身の不幸、さぞや両親を思うであろう、国に忠なる者は親にも孝でなくてはならんはずじゃ