Classici giapponesi con furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Leggi 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) di 福田 英子 (ふくだひでこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 64.051 caratteri · 122 schermate
第四 未決監
一 ほとんど窒息
二 同志の顔
第四 未決監
一 ほとんど窒息
訊問卒えて後、拘留所に留置せられしが、その監倉こそは、実に演劇にて見たりし牢屋の体にて、妾の入牢せしはあたかも午前三時頃なりけり。世の物音の沈み果てたる真夜中に、牢の入口なる閂の取り外さるる響いとど怪しう凄まじさは、さすがに覚悟せる妾をして身の毛の逆竪つまでに怖れしめ、生来心臓の力弱き妾は忽ち心悸の昂進を支え得ず、鼓動乱れて、今にも窒息せんず思いなるを、警官は容赦なく窃盗同様に待遇らいつつ、この内に這入れとばかり妾を真暗闇の室内に突き入れて、また閂を鎖し固めたり。何たる無情ぞ、好しこのままに死なば死ね、争でかかる無法の制裁に甘んじ得んや。となかなかに涙も出でず、素より女ながら一死を賭して、暴虐なる政府に抗せんと志したる妾、勝てば官軍敗くれば賊と昔より相場の極れるを、虐待の、無情のと、今更の如く愚痴をこぼせしことの恥かしさよと、それよりは心を静め思いを転じて、生ながら死せる気になり、万感を排除する事に勉めしかば宿屋よりも獄中の夢安く、翌朝目覚めしは他の監房にて既に食事の済みし頃なりき。
二 同志の顔
先にここに入りし際は、穴のように思いしに、夜明けて見れば天井高く、なかなか首をつるべきかかりもなし。