Classici giapponesi con furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Leggi 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 267.766 caratteri · 530 schermate
そうしてその人はいうだろう「ははそうか、目明しなのか」と。
この人物こそ目明しなのであった。住居は神田代官町で、そうしてその名を松吉といった。そこで綽名して代官松――などと人は呼んだりした。乾児も七、八人持っていて、目明し仲間での腕っこきであった。
「あ、やりおった、またやりおった、ずいぶんりっぱにはたくなあ」
またも口の中でつぶやいたが、依然としてニヤリニヤリと笑い、悠々としてつけて行く。
つけられているのは二人の掏摸で、これがまた変わった風采であった。すなわち一人は女であり、町娘ふうにやつしている。水色かった振り袖を着、鹿子をかけた島田髷へ、ピラピラの簪をさしている。色が白くて血色がよくて、眼醒めるばかりに縹緻がよい。古い形容だが鈴のような眼つき、それがきわめて仇っぽい。で、この眼で笑われたならば、たいがいの男はグンニャリとなろう。
ところで鼻だがオンモリと高く、そうして上品になだらかである、口はというにまことに小さく、その上いうところの受け口でこれがまた非常に色っぽい。ニッと笑って前歯でも見せたら、おそらく男はフラフラとなろう。その年ごろは十八、九で、二十歳までは行ってはいないだろう。