Classici giapponesi con furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Leggi 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 267.766 caratteri · 530 schermate
酔ったお狂言師
こういって首を前へ伸ばした。
が、この部屋には嘉門のほかには、太郎冠者どころか次郎冠者どころか、誰一人としていないのであった。
酔ったお狂言師
誰も一人もいもしないのに、眼の前に太郎冠者がいるかのように、盃をさした狂言師の嘉門は、手を伸ばすと側の銚子を取り上げて、盃へ酒を一杯についだ。
「太郎冠者殿よ、遠慮はいらない。さあさあお過ごしなさりませ。酒は上等の灘物でござるよ、亭主役は泉嘉門でござる。不足はないはずでござりますがな」――かなり嘉門は酔っているらしい。少しくろれつのまわりかねる舌で、このように一人で喋舌って来たが、いもしないところの太郎冠者が、盃を取り上げて飲むはずがない。しかるにどうやらお狂言師の嘉門には、それが不服でならないらしい。皮肉なことをいい出した。
「さては冠者殿におかれましても、この嘉門を嫌っておられますそうな。困ったお方でござりますな。もっともいつでも太郎冠者殿は、意地の悪いお方でござりますがな。大名衆などをおさえお虐めなされる。また狂言に現われて来る大名衆と来た日には、現在の大名衆と同じように、ばからしい手合ばかりではございますがな。