Classici giapponesi con furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate
」
そう切口上をいうと乳母の母親に対い、よく聞き解けるように、
「これだけ言えばわしの役目は済んだのだから、あとはお母さんがよく娘さんに話をしなさい。」
爺さんは、こんどは老母のわきに坐り、硬くなっている健康そうな娘に、「こう話が決ったら気にいらない事があったりしても、我儘を言って帰ったりなぞしてはいけない――折角御縁があって来たのじゃから。」そう言うと母親が、小さい膝を娘の方に向けた。
「一年くらいの間だから、よく辛抱をしての、ときどきわしは逢いに来るし、つむぎ屋さんに万事おまかせしてあるから――。」
眼の円い二十一二くらいの娘なる女は、その間じゅう俯向いて、一言もいわずに黙っていた。膝がしらへ乗せた指さきで膝の肌を衝ッついていそうで、しぶとい人間のような気がした。
「肝心のお乳を医者に診てもらわないと困りますね。お願いするにしてもそれが気にかかりますから。」
先方の独り定めになりそうで、私は爺さんの顔をみながら云った。
「乳のことは千葉の医者でも診てもらってきたんですが、大丈夫だそうです。最もお宅でも最一度試験していただけばなお結構です。」
爺の言葉に続いて、母親も言った。