Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate

Aozora Bunko

日吉は、槍をつかんだまま、舟のなかに身を起して、

「起きろッて? この通り、起きているのが分らないかッ。どうしろというのだ」

と、云い返した。

「おや。この野伏め」

槍の柄を通して、日吉の力と、その反抗を感じると、小六の部下は、恐い顔を見せて、頭から脅しつけた。

「出ろというのだ。――立てッ、その舟から!」

「この舟から、立てだって」

「そうだ。その舟が要るのだから、とっとと空けて、消え失せろ」

すると日吉は、なおさら、つむじを曲げたらしく、舟の上に落着き直して、

「嫌だッ」

と、いった。

「な、なに」

「嫌だ!」

「嫌だと?」

「おお。嫌なこッた」

「こいつ……」

「何がこいつだ。――人がよく眠っているのを、いきなり槍の先ッぽで小突き起して、――その上、舟が要用だから、立てとは何だ。消えて失せろとは何だ!」

「ちいッ……。小理窟をこねる奴だ。やいッ、風来」

「なんだ」

「われわれを、誰だと思う」

「人間である」

「知れたことを!」

「訊く奴があるか」

「口の達者な小僧め。後で、その口を曲げて、縮みあがるなよ。われわれは、蜂須賀村の土豪。お頭目の小六正勝様について、一党数十名で、こよい矢矧へかかったが、舟がない。