Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate
そんなら、おらの村からも遠くない」
日吉は急に、人なつかしい顔を示して、早速、中村のうわさでも聞きたそうであったが、
「じゃあ、同じ故郷の衆だ。さっきは、いやだといったけれど、舟を空けてやろう」
と、枕にしていた商い物の包を、斜めに背負って、岸へ上がって来た。
その様子――一挙一動を、小六は黙ってながめていた。
物売りの世間摺れ――旅ずれした小童の、減らず口――と、小六も初めは見たのであったが、心が解けて頷くと、少しも悪びれた様子はなく、舟を去って、日吉はすごすご立ち去ろうとした。
「待て。日吉とやら、汝はこれから、何処へ行くのか」
「舟を奪られたから、寝る所はない。草の中へ寝れば、夜露にぬれて、病んでる腹がよけいに渋るで、仕方がないから、夜明けまで歩くんだ」
「ならば、おれと一緒に来い」
「どこへ」
「蜂須賀村へ。――屋敷において飯も食わそう。病も手当してつかわそう」
「ありがと」
日吉は、神妙にお辞儀したが、自分の足もとを見ながら考えているふうだった。
「……すると、おらを、屋敷へおいて、抱えてくれるというのかね」
「汝の面だましいに見どころがある。この小六に随身する気があれば使うてやる」