Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate

Aozora Bunko

土地がらだけに、ここでもいつか人の耳へ伝えられていた。

(世間の衆が、明国の事情をよく知らないからだ。また生半可、隠しだてするから奇異な目で見たがるのだ)

捨次郎は、こう考えた末、

(世間へ、明国とは、こういう国だということを、教えてやろう。……そしたらかえって、於福も自覚をもって、自分のうけた血に、恟々せず、内気がなおるかもしれない)

――彼の客呼びと、彼の得意にする明国ばなしは、そういう心理からも起っていたわけであった。

さて。

それはとにかく、当夜の来客たちも、如才なく、酒がすすむにつれて、

「御主人。ひとつまた、明国のおはなしでも」

と、客のほうから促した。

天竺とか、唐とかいうと、夢の国のように思っていた民衆も、近ごろは、鉄砲が渡来されたり、自鳴鐘という物を知ったり、縞や更紗などの織物を見たりして来て、この天地のうちには、日本のほかに、そういう大きな国々もほんとに在るのだということを――漠然とではあるが――一般に知られかけてきた時代である。

捨次郎は、一座の客に向って、

「ぽるとがるとか、すぺいんとか、おらんだとか、そういう紅毛人の国々と明国とを、同じように考えてはいけませんよ。