Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

「ほほう、これはまた珍景じゃな。下郎! あの珠数屋の大尽とか申すは、どこの馬の骨じゃ」

「何だと!」

「騒ぐな騒ぐな。虎の威を藉りて生煮えの啖呵を切るものではない。農工商の上に立つお歴々が、尾をふりふり素町人の御機嫌を取り結んでいるゆえ、珍しゅう思うて尋ねるのじゃ。あの成上がり者はどこの虫けらじゃ」

「ヘゲタレ! ぬかしたな! お歴々だろうと二本差だろうと、小判に頭が上らなきゃ仕方がねえんだ。引込んでろ引込んでろッ。お道中先を汚されたんじゃ、露払いの弥太一と名を取ったおれ様の役目にかかわるんだ。振舞い酒にありつきてえと言うんなら、口を利いてやらねえもんでもねえんだから、小さくなって引込んでろッ」

思い上がっての雑言か、それとも虎の威を藉りての暴言か、身の程知らぬ啖呵を切って争っている姿を、のっしのっしと道中しながら見知ったと見えて、取り巻侍のひとりがつかつかとやって来ると、要らざるところへ割って這入りました。

「何じゃ、弥太一! この浪人者が何をしたというのじゃ」

「どうもこうもねえんですよ。あの通り誰も彼も目の明いている者は、みんなお大尽のお道中だと知って道をよけているのに、このヘゲタレ侍めがのそのそしていやがるんで、どきなと言ったら因縁をつけたんですよ」