Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
「帰らぬと申すか」
「そうなんでごぜえます。いくつ井戸を掘らしたのか知らねえが、十四人からの人夫がかかれば三日に一つは大丈夫なんですからね。それだのに行ったきりと言うのもおかしいが、通い職人がまた泊り込みでひとりも帰らず、四十日近くもこちら井戸ばかり掘っているというのも腑に落ちねえことなんですからね。少し気味がわるくなって、ひと晩でいいから宿下りをさせておくんなせえましとお願いに参ったんでござんす。ところが変なことに、釜淵の道場の方ではもうとっくに井戸なんぞ掘りあげたから、人夫は十四人残らずみんな帰したと言うんですよ。帰したものなら帰って来なくちゃならねえのに一向帰らねえのは、愈々只事じゃあるめえというんで、つい色々と凶い方にも気が廻ったんです。と言うのは、無論お殿様なんぞ御存じでごぜえましょうが、ひょっとするとあれじゃねえかと思いましてね。ほら、よくあるこッちゃござんせんか。お城普請やお屋敷なんぞを造らえる時に、秘密の抜け穴や秘密仕掛けの部屋をこっそり造らえて、愈々出来上がってしまうと外への秘密が洩れちゃならねえというんで、工作人夫を生き埋めにしたり、バッサリ首を刎ねたりするってことを聞いておりますんでね。