Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
城持ちの諸侯ではなかったが、名将の血を享けた後裔というところから、捨て扶持二万石を与えられて、特に客分としての待遇をうけている特別扱いの一家でした。それゆえにこそ、名君を以て任ずる将軍綱吉公は、この名門の後裔を世に出そうという配慮から、異数の抜擢をして問題の人長門守を大阪城代に任じたのが前々年の暮でした。然るに、この長門守が少しく常人でなかったが為に、はしなくもここに問題が起きたと言うのは、即ち峠なし権次が今言った大阪御城内の分銅流し騒動です。事の起ったのはついこの年の春でした。大阪冬の陣と共に豊家はあの通り悲しい没落を遂げて、世に大阪城の竹流し分銅と称されてやかましかった軍用金のうち、手づかずにまるまる徳川家の手中に帰したのは、実に六百万両という巨額でした。徳川領の関東八カ国だけを敵に廻したら裕に二十カ年、関ガ原以東の諸大名を対手にしたら八カ年、六十余州すべてを敵に引きうけても、結構三カ年間は支え得られると称された程の大軍用金です。さればこそ、徳川家もまた大阪落城と共にこれを我がものとするや、豊家同様にこの竹流し分銅六百万両を以て、一朝有事の際の貴重なる軍用金として秘蔵せしめ、大阪城を預かる城代に対っても、これを厳重に保管せしめたことは言うまでもないこと、年に一度宛、分銅改めの密使すらもわざわざ江戸から