Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

「よッ、御貴殿は!」

「みな迄言わないでもいい。この傷痕で誰と分らば、素直に致さぬと諸羽流正眼崩しが物を言うぞ。当下屋敷に勤番中と聞いた霧島京弥殿が行方知れずになった由承わったゆえ、取調べに参ったのじゃ、知れる限りの事をありていに申せ」

「はっ、申します……、申します。その代りこのねじあげている手をおほどき下さりませ」

「これしきの事がそんなにも痛いか」

「骨迄が折れそうにござります……」

「はてさて大名と言う者は酔狂なお道楽があるものじゃな。御門番と言えば番士の中でも手だれ者を配置いたすべきが定なのに、そのそちですらこの柔弱さは何としたことじゃ。ウフフ、十二万石を喰う米の虫よ喃。ほら、ではこの通り自由に致してつかわしたゆえ、なにもかもありていに申せ。事の起きたのはいつ頃じゃ」

「かれこれ四ツ頃でござりました、宵のうち急ぎの用がござりまして、出先からお帰りなされましたところへ、どこからか京弥どのに慌ただしいお使いのお文が参ったらしゅうござりました。それゆえ、取り急いですぐさまお出かけなさりますると、その折も手前が御門を預かっていたのでござりまするが、出かけるとすぐのように、じきあそこの門を出た往来先で、不意になにやら格闘をでも始めたような物騒がしい叫び声が上りましたゆえ、不審に存じまして見調べに参りましたら、七八人