Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
そこの橋手前の乱杭際に片寄せて、冬ざれの夜には珍しい夜釣りの舟が一艘見えるのです。しかもこれが只の舟ではない。艫と舳の二カ所に赤々と篝を焚いて、豪奢極りない金屏風を風よけに立てめぐらし、乗り手釣り手は船頭三人に目ざむるような小姓がひとり。
「やだね。別嬪の小姓がひとりで時でもねえ冬の夜釣りなんて気味がわりいじゃねえか。今夜はろくなものに会わねえよ。――真平御免やす! 御目障りでござんしょうが、通らせておくんなせえまし! 土左船でごぜえます!」
「なに! 土左船!」
小姓ひとりかと思ったのに、遠くから呼んだその声が伝わり届くと同時です。不思議な釣り舟の中から、凛とした声もろともにむっくり起き上がった今ひとりの人影が見えました。
眉間に傷がある。
誰でもない退屈男早乙女主水之介でした。
「土左船、水死人はどんな奴ぞ?」
「心中者でごぜえますよ」
「ほほう。粋なお客じゃな。何者達かい」
「男は京橋花園小路、糸屋六兵衛伜源七という書置がごぜえます。女は吉原三ツ扇屋の花魁誰袖というんだそうでごぜえますよ」
「花魁とあの世へ道行はなかなかやりおるのう。よい、よい。通行差許してつかわすぞ。