Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
近頃は一向イタチの道で、いや、一向五丁町へお越し遊ばされませぬが何か――」
「つべこべ申すな! ここは曲輪でない。そのように世辞使わなくともよいわ。――相尋ぬることがある。偽り言うては相成らんぞ」
「へえへえ、もうほかならぬ御前様でござりますゆえ、偽りはゆめおろか、毛筋程のお世辞も言わぬがこの亭主の自慢でござります。それにつけても御殿様のお姿が見えぬと、曲輪五丁目は闇でござりますゆえ、折々はあちらの方へもちとその、エヘヘヘ、その何でござります。つまりその――」
「控えぬか! それが世辞じゃ。――きけば誰袖も行方知れずに相成りおるとのことじゃが、まことであろうな」
「まこともまこと、あれはやつがれ方の金箱でござりますゆえ、うちのもの共も八方手分けを致しまして、大騒ぎの最中でござります」
「居のうなったは、当家伜の源七と同じ日じゃと申すが、それもまことか」
「不思議なことに、カッキリと日が合いまするゆえ、面妖に思うておりまするのでござります。どうしたことやら、あれが、誰袖がどうも少し気欝のようでござりましたのでな、四五日、向島の寮の方へでもまいって、気保養致したらよかろうと、丁度四日前の夕刻でござりました。