Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

それから世間通。

人の顔を見れば他人の悪口蔭口を囁きたそうな憎まれ男。

かと思うと、ゆうべもどこかのバクチ穴で文無しに叩きハタイてしまったらしいサイコロ好きも数人交って、いずれも一両を目あてに門前のあちらこちらに押し合いながら大変な騒ぎです。

「わはは。いや、参ったな。参ったな。亡者千人何の如きぞ。これが江戸の御繁昌とは恐れ入った繁昌ぶりじゃ。いずれもようこそ参った。早乙女主水之介賞めつかわすぞ」

しらせをうけて、のっしのっしと門脇に現れると、

「京弥、用意の品、これへ持参せい」

呼び招いて、小姓袴も相応しい京弥に運ばせたのは、うず高く三宝に盛られた小判の山でした。五十両? いや正しく二三百両です。江戸前気ッ腑の主水之介にとっては、大した品ではないが、馳せ集った亡者共にとっては容易でない。百の目、六百の目が同時にキラリキラリと怪しく輝きました。

見眺めて三宝うけとると、眉間傷もろともやおら言ったことです。

「約束じゃ。遣わすぞ。ほら! めいめい勝手に拾って行けい!」

意外でした。ひとりひとり呼び出して、一枚ずつ手渡しでもするだろうと思われたのに、小判の山を鷲掴みにすると、群がり集る人山を目がけて、惜しげもなくバラバラと投げ棄てました。