Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

あはははは、天下の将軍にあれまで堪能さすとは、にっくい主水之介よのう。はじめより余と知っての馳走か!」

「御意!」

「のう……」

「おそれながら、御骨相におのずとそなわる天下の御威光、夜目にもさえざえと拝しました上、御近習衆のお槍筋が、揃いも揃ったお止め流の正法眼流! 更には又、葵御紋をも憚らぬ不審! さては、上、この主水之介の三河ながらの手の内試し、御所望ならんと存じ、御心ゆくばかり――」

「堪能させおったか」

「御意!」

「はははははは。いよいよもってにっくい主水之介じゃ。おもしろい。――おもしろい。いやのう。さきほどのそちの申し開き、胸にこたえてよくわかったが、心冴えぬは紋の不始末じゃ。女の表裏二心は大賢をも苦しむると申すが、尤もじゃのう。ふと、三河ながら、三河ながらと吹きおったそちの手の内ためしたら癇癪も晴れようと気づき、豊後をはじめこの者共ひきつれて涼みにまいったのじゃ。よくやりおったな! 主水之介! 天ッ晴れじゃ! 見ごとじゃ! わしの胸の内、見ごとに晴れたわい。――主水之介!」

「は!」

「紋には暇とらすぞよ」

「ははッ」

「まったこれなる人非人――」