Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
五足六足行きすぎたかと思われましたが、果然、野良猫が足をとられて、ころりとそこに打ち倒れると、いとも不気味な呻き声をあげながら、断末魔の苦悶を現して、たらたらと黒血を吐き垂らし出しましたので、ぎょッとしたのは京弥でした。
「よよッ、何としたのでござりましょう! やっぱり毒でも仕掛けてあったようにござりましたな」
「左様。まさしく鴆毒じゃ」
「えッ。では、あの怪しい男め、お殿様のお命を縮め奉ろうとしたのでござりましょうか」
「然り――」
「不届きな! あれ程の大恩をうけましたのに、恩を仇で返すとは、また何としたのでござりましょう。何がゆえに、かような大それた真似をしたのでござりましょう」
「察するにあの夜、頤の下に疵をつけておいて帰したゆえ、その目印しを知っているわしを生かしておくのが、何かと邪魔に思えたからであろうよ。それだけにあ奴、存外の大悪党かも知れぬぞ」
言いつつ、これはまたどうやら退屈払いが出来そうになったかなと言わぬばかりで、にんめりと微笑していましたが、突然京弥に命じました。
「御苦労じゃが、駕籠の用意をさせてくれぬか」
「不意に白昼、駕籠なぞお召し遊ばしまして、どこへ御出ましにござります」