Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はるいくたび

春いくたび

山本 周五郎

Leggi 春いくたび (はるいくたび) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.094 caratteri · 142 schermate

Aozora Bunko

なお――帰国のうえは、藩へ御推挙を仕ります、このたびの御尽力、かならず御出世の途となりましょう、はばかりながら吉報お待ちください。

取急ぐまま以上、――と読むなり、袱紗包を明けてみると中から出てきたのは金子百両。

「おお!」

三樹八郎は思わず声をあげた。――加代も手紙を走り読みして、

「お兄さま、いよいよ御出世の時が参りました、永い御苦労の酬われる時が参りましたのね」

「おまえもそう思うか」

「山県様にして差上げたことは別ですわ、でも今夜こそお兄さまの本当の腕前が認められたんです、明日になれば、江戸中に村松三樹八郎の名が知れることでしょう」

そうだ、鬼の湛左以下十八名を斬った剣士、村松三樹八郎の名は一夜にして江戸市中の評判になるだろう。

「良い宵節句だった、なあ加代。明日はこれで充分に祝おうぞ」

三樹八郎は晴々と百両を投出した。――窮すれば通ず、村松兄妹の前にも、今こそ輝かしい道が拓けた。