Classici giapponesi con furigana
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はるいくたび
春いくたび
山本 周五郎
Leggi 春いくたび (はるいくたび) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.094 caratteri · 142 schermate
「はっ、かしこまりました」
侍大将俵藤玄蕃は、若菜の方へ向きなおってしずかにかたりだした。
伝四郎は裏切者ではなかった。
純忠の命令で敵に内通するとみせかけ、大村軍はわざと釜伏山を退却したのである、――なぜかというと、赤沢軍はすぐれた鉄砲陣をもっている、火薬も余るほどある、その頃はまだ鉄砲はそうたくさんにない武器で、それをあまるほどもっている赤沢と戦うことはどこまでも味方のそんだ。
そこで釜伏山を敵にあたえれば、非常によい要害だからかならず根城にするにちがいない、そしてあるだけの鉄砲、弾薬をたくわえるだろう、そこをねらってたくわえた火薬を爆発させれば、もう鉄砲は役に立たなくなる、そのうえで一挙にせめほろぼそうというのであった。
「――そして計画は思う通りにいった」
と玄蕃はひと息ついていった。
「この手紙はおまえの兄伝四郎が書いたものだが、弾薬は昨日ですっかり運びこんだそうだ、そしていまその火薬庫へ火をかけるばかりだと書いてある。
――わかったか、おまえを敵に渡したのは、いつも城兵が眼を光らせていたからで、そのときも小屋の外にたちぎきをしていた者があったのだそうだ。