Classici giapponesi con furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Leggi 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 67.333 caratteri · 134 schermate
「まあ、見ていてごらん」
高橋さんは何かわけのありそうな笑い方をして、一太郎君の顔をながめました。なんだかおもしろいことがはじまりそうです。
二人は高橋さんのそばまで近づいて、だまって見ていますと、高橋さんは地面の雪の上に、二枚の紙をていねいにならべました。一枚は真白な洋紙、もう一枚は黒々と墨をぬった洋紙です。まるで白と黒との大きな膏薬でもはったように見えます。
「さあ、これでよしと。君たち、僕がなぜこんなことをしたのかわかるかい。おもしろい実験なんだよ。何の実験だろうね。一つあててごらん」
高橋さんは立上って、二人の顔を見くらべながら言うのです。
一太郎君と北川君は、おたがいに目を見合せて、しばらく考えていましたが、さっぱりわけがわかりません。雪の上に白と黒との膏薬をはって、いったい何の実験をしようというのでしょう。高橋さんはいつでも、一太郎君たちがまるで思いもつかないような、ふしぎなことを考え出す人です。
二人がいつまでたっても返事をしないものですから、高橋さんは笑い出しました。
「ハハハハハ、わからないかい。よしよし、それじゃ二時間ほどしてから、また、ここへ来てごらん。