Classici giapponesi con furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Leggi 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 67.333 caratteri · 134 schermate
一太郎君があまりくどくたずねるものですから、六人の中でも一番なかよしの中村君などは、こんなことを言って、からかうのです。
「そんなに疑うのなら、君の智恵で、僕らのうちの誰がやったのだか、さがし出せばいいじゃないか。君は智恵の一太郎じゃないか」
すると、みんながおもしろそうに、ワーッとはやしたてるのです。
「ようし、それじゃ、僕にも考えがある」
一太郎君は、くやしくなって、おこったような顔をして、きっぱりと言うのでした。
間もなく始業のベルが鳴り出しましたので、みんなはそのまま整列して教室に入りましたが、その第一時間目の授業がすんで、また雨天体操場にもどりますと、一太郎君は何を思ったのか、一方のすみのガラス窓のそばへ行って、立ちどまったのです。
そして、窓のガラスにハーッと息をふきかけて、白くくもったところへ、自分の両手の親指をぐっとおしつけました。すると、指の先のうずまきのあとが、ガラスの上にハッキリとあらわれたのです。一太郎君はポケットに用意してきた拡大鏡をとり出して、その二つのうずまきのあとを、熱心にのぞきはじめたものです。
なかよしの六人のお友だちは、それを見つけると、何をやっているのかと、次々にそこへ集って来ました。