Classici giapponesi con furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Leggi 植物記 (しょくぶつき) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 165.848 caratteri · 327 schermate
ゆえに万事縁起を祝ってその門出を賑やかにせねばならぬ。そこでお正月のお飾りの植物は芽出度ずくめのものが取り揃えてあるわけだ。
まず家の入口に門松を立てる。一方は右に一方は左に対をなして二本である。そしてその深い緑色は何となく新鮮な色を漂わしている。また一方は雄松(植物学界では黒松という)一方は雌松(同じく赤松という)を用うるのが実いえば正しい訳だ。松は昔から千歳を契るともまた千年の齢を保つともいわれ、幾年も幾年もその翠の色を保っておりその上、松は百木の長ともいわれて誠にこの上もない芽出度い貴い樹である。
松は四季を通じていつも緑の色を湛えた常磐木で、それが雪中にあってもなお青々として凋まず、いわゆる松柏後凋の姿を保っている。その繁き葉の一つ一つは簪の脚のように必ず二本の葉が並んで、これを幾千万の夫婦の偕老の表象だとも見立て得べく、それは「こぼれ松葉をアレ見やしやんせ枯れて落ちても二人づれ」と唄われた通りである。また松の枝が幹に輪生している有様は車座に坐りて睦み合う一家団欒の相とも観るべく、また雄松は幹の膚黒みて強健なれば男の勇敢豪壮を表わし、また葉も剛ければ不撓不屈の精神を表わしており、また雌松はその幹の色赤ければ女の赤心貞淑を表わし、かつ葉は柔らかなれば温順な心情を表わしているともいえる。