Classici giapponesi con furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Leggi 植物記 (しょくぶつき) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 165.848 caratteri · 327 schermate
支那は揚子江、黄河の大河が平野の間を串流し、大小の支流もあって、その辺に水寰区が多いから、従ってこの草は極めて普通に生じているであろう。故にそれが、支那人には最も知り馴れた草であろうという事が想像せらるる。こんな事で同国人は、既に上古からしてこの草につき関心を持っていた次第である。
その結果、支那人は旧くからこの草を熱愛した。それはその草状が佳いという訳ではなく、その草に含んでいる香気を愛でたのである。
実際この草には香気がある。それは生の時、その茎葉を揉めば、既に一種の香のある事が分るけれど、しかしその時は左程佳くは感じない。けれども、一たびその草を刈り来って、試にこれを室内へでも懸けおく時は、それが萎びるに従い、忽ち一種の佳香を放つものである。そしてそれがかなり久しく続いて、幾日も幾日も香っている。その香いは何となく甘たるくて、すこぶる鼻に佳い。
前に述べたように、支那人はひどくこの香いを貴んだ。そこでその嫩葉を揉みて髪の中にしのばせ、あるいは油に和して婦人の頭に伝え、あるいは体に佩び、また湯に入れてこれに浴したものだ。ゆえに、一にこれを香草と称え、香水蘭と呼んだのである。