Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate
しょうばいしてるのに、聞いたこともないような、いろんなこと知っててさ、それがうまいんだもの、うん、憎らしいよこのひと」
「痛え、ふざけるな」
新八は肱で女を小突いた。女は身をちぢめ、「い」といって彼の肩に歯を当てた。
「二どめのときなんか、あたしあんまり恥ずかしくって、あかりをつけてもおけなかった、悪いったってきりがあるよ、年を訊いたら二十三だって云ったけれど、あたしはもっといってるだろうと思ったよ、くせの悪い五十男だってしないようなことするんだもの、女はこういうひとに身あがりをするんだなって思って、あんたに逢うのがこわくなっちゃったよ」
女はうきうきしていた。まださめない昂奮が、彼女の血をかきたてるらしい。絶えず彼を抱き緊めたり、耳に吸いついたり、手さぐりをしたりした。
なんというやつだ、おれはなんという腐ったやつだ、と新八は思っていた。
「でも今夜でわかった」と女は続けていた、「あんたのは教えられたもので、教えられたことをぶきように真似ているだけだってことがさ、このまえのときと今夜で、それがわかったよ、あんた誰かに教えられたんでしょ、そうだよ、きっとこれがよっぽど好きなひとなんだ、あんなにいろんな勘どころがあるなんて、しょうばいしているあたしなんかだって知らなかったもの、よっぽどだよ」