Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate

Aozora Bunko

日照り雪

――おみやはそうかきくどいて、いかにも苦しそうに咽びあげた。

襖の向うで咳の声がし、「お呼びですか」と云うのが聞えた。おみやは坐り直した。女が一人残ったので、なにかまちがいでもあっては、と気遣っているのに相違ない。ようすを見に来たのだ、そう思って、おみやはすばやく涙を拭きながら返辞をした。襖をあけたのは、さっきの年配の女であった。

「お酒が頂けないかしら」とおみやが云った。

「めしあがるならお支度を致します、お口に合うような物はございませんけれど」

「なんでもいいの、酔いさえすればいいんだから」とおみやは笑った、「それと、もしも呼べるなら、男芸者を呼んで下さいな」

「呼べないこともございませんけれど」

「呼んでちょうだい」とおみやは嬌めかしく笑いかけた、「あたし浮気がしたいのよ」

日照り雪

伊東七十郎は、着ながしで歩いていた。――黒の重ね小袖に羽折を着て、足袋こそはいているが、から脛でふところ手をし、高い額を風に吹かせながら、ゆっくりした足どりで、歩いていた。そこは石巻街道で、左には低い丘陵の起伏が続き、右側はひろく、刈田がうちわたして見える。丘陵の日蔭や刈田には、まだら雪が残っており、日蔭のものは青く、日なたのものはまっ白に、日光をあびてきらきらと光っていた。