Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate
矢崎舎人の話しを聞きながら、ちょうど丹三郎の来あわせていた偶然さに、甲斐は、皮肉なめぐりあわせを感じた。
やがて、舎人がいって、新八を伴れて来、甲斐は舎人をさがらせた。――新八を見るのは初めてである。邸内で見かけたことはあるのだろうが、甲斐には記憶がなかった。年は丹三郎と同年配だというのに、三つも四つも老けてみえるし、怯えたような眼つきや、憔悴した躯つきには、頽廃という感じがつよくあらわれていた。
――これが、良源院から、畑姉弟を誘拐しようとした男か。
甲斐はそう思った。そして、新八のうしろには、柿崎なにがしとかいう、あの浪人者がいたという。柿崎なにがしが、この湯島の家へあらわれたとき、丹三郎が見て、畑姉弟が誘拐されようとしたとき、新八に指図をしていた浪人者だ、と云った。
――運の悪い男だ。
彼は仙台へ護送される途中で、脱走した。仙台へゆけばよかったのである、数年のあいだ預けられていれば、やがて宮本の家名を恢復することができた筈だ。それを、脱走したために、柿崎などという人間につかまり、その手先となり、いまは風呂屋の売女におぼれたりして、役人に追われるようなことになった。