Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate
「邪険だったなんて、云えた義理じゃないわね、あんたには悪いことばかりして、三年まえにはあんな勝手なまねをして」
「もう済んだことだ」
「勝手なまねだわ、自分で新さんを悪くしておいて、こんどはまじめになれだなんて、自分の都合だけで勝手なことをしていたのよ、ごめんなさい」
「まさか泣くんじゃあないだろうな」と新八が云った。おみやは頭を振り、弱よわしく微笑しながら、まさかね、と云った。それから急に眼をあげて新八を見、気を変えるように、明るい調子で訊いた。
「あれからどうしてたの、あたしずいぶん捜したのよ」
「おれを捜したって」
「あんたをよ、石川さんたちの道場へ三度も五度も訪ねていったわ」
「あそこはあの冬に出てしまったんだ」
「みなさんそう云ってたわ、突然どこかへいってしまったって、それからどうしたの」
中年の女が酒肴の膳をはこんで来、おみやにあいそを云って、すぐに去った。
「はい、新さんから」
おみやは新八に盃をさし、酌をして、自分も盃を持った。こうして、二人で飲むのも久しぶりね、うれしい、ずいぶん逢いたかったのよ、とおみやは云った。
「それで、石川さんたちの道場をどうして出たの、今日までどこでなにをしてたの」