Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate
「新八は侍をやめて芸人になるつもりだ」と甲斐は云った、「事情があって、この家から浄瑠璃の太夫のもとへ稽古にかよっていたが、自分で新らしい語り物をあみだすと云っていた、性分もどうやらそのほうが似あうらしい、ここの家人が浅草あたりに家を持たせ、もう暫く面倒をみてやる、と申している」
「もし二人がいっしょだとしますと、浅草などでは危険ではないでしょうか」と達弥が云った、「この証書の紛失したことがわかれば、嫌疑は必ず滝尾にかかりましょう、すれば捜索の手が伸びると思わなければなりませんし、浅草などは人の眼につきやすい場所ですから、みつかる危険も多いと思いますが」
「それは女自身が考えているであろう」と甲斐が云った、「私が案ずるのはおまえのことだが、このことで疑われるような惧れはないか」
「そういうおそれはないと思います、もし疑われて、事実がわかったとしましても、これがお役に立つとすれば、なに、この命をひとつ投げだせば済むことです」
「女と逢っていたことは、誰かに知られていたか」
「わかりません、侍女たちの中には、知っていた者があったかもしれませんが、私はそういう者がいるとは、聞いたことはございません」