Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate
「涌谷さまはそれを待てといっておられた」
「なんのために」
「船岡のことだからぬかりはあるまいが、いまはなにごとも大事のうえに大事をとらなければならぬ、帰国のおりじかに会って、よく話しも聞き自分の意見も述べたい、加賀へ呼びかけることはそれまで待つように、と念を押しておられた」
「私の帰国は春になる」
「それなら僅か半年だ」
「僅か半年」と甲斐は云った。僅か半年と口の中で呟き、周防を見てゆっくりと頭を振った、「いや、この件については、任せてもらうことになる」
「涌谷さまになんと伝えよう」
「ありのままでいい」と甲斐は云った、「私からも手紙を出す、御趣意はたしかにうけたまわりましたと申そう、松山からは、御意見をたしかに申し伝えた、とだけいってもらいたいが、不承知だったといってもいい、私が軽率なことをするかどうか、松山は知っている筈だ」
「それは慥からしいな」と周防は苦笑した、「里見十左はともかく、伊東七十郎まで怒らせたには驚いた」
「彼に会ったのか」
「小野の留守を預かるのだそうで、仙台の屋敷へ訪ねて来た」
「彼を怒らせるのは辛かった」
「しかし効果は一倍だ」
「彼だけは怒らせたくなかった」