Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate
「今夜もですか」
「茶漬で食おう」
食事を簡単に済ませると、もういちど着替えをして、六郎兵衛は出ていった。
「野中さんがみえたら、なんて云っておきますか」
「来はすまいが、来たら寺へいったと云っておけ」
「お寺ですって」
「云えばわかる」
そして彼は出ていった。
その夜半、新八は夢でひどくうなされた。断崖の裂け目にはいったまま、どうしてもぬけだすことができず、断崖が両方から圧迫して来て、いまにも圧し潰されるかと思うほど苦しい。殆んどみしみしと骨のきしむ音が聞えるくらいだった。おそらくごく短いあいだのことだったろうが、苦しさのあまり彼は呻き声をあげ、そして眼をさました。するとあまい香料がつよく匂い、自分が誰かに、上から抱きしめられていることに気づいた。まだ眠りからさめきらず、半ば悪夢のなかにいながら、彼は上から抱かれていることに気づき、その抱擁からのがれようとして、身をもがき、手を振ろうとした。しかし呻き声が出るだけで、身動きもできず、手は、まるで金縛りにでもされたように、まったく自由にならなかった。
「じっとしてて」と耳のそばで喘ぐのが聞えた、「じっとしてらっしゃいね、新さん、じっとしてるの、わかって」