Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.361 caratteri · 483 schermate

Aozora Bunko

しかも、逸早くも博士の後を追って都から乗り込んできたのであろう、すでにウニベルサール紙、エル・コメルシオ紙、ラ・プレンサ紙、ラ・ナシオン紙等の自動車は役場前の広場に犇めき、各社の記者は手ぐすね引いて博士の調査を階下に待ち構えているのであった。

「おお、セステルチア金貨だ! セステルチア!」と博士の態度は、まったく変ってきた。「しばらく誰もここに入れないで下さい。そこの扉をピッタリと閉めて」

柔和な博士の眼がまったく引き緊り切って、博士はもはや猟銃も鴫も鷭も、すっかり忘れ果てているかのようであった。

「マクドナルド君、セステルチアだよ、正真正銘のセステルチア金貨だよ! これは」

そして誰も大して問題にもしなかった、例の三枚の絵を取り出して、一枚一枚どんなにそれを入念に眺めていたことであったろうか。また思い出したように函の嵌め込みに視線を送ってみたり、……しかも尽きぬ興趣に燃えてまた恍惚と閉ずるその瞳! まったくそれは豊猟に北叟笑む猟師の眼、会心の研究に魂を奪われている学者の瞳というべきものであったろう。

傍らに村長をはじめ、村の有力者たちが固唾を呑んで控えているのも気付かぬかのごとく、博士の眼は、今三巻の巻物の上に凝乎と吸い付けられている。