Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.361 caratteri · 483 schermate

Aozora Bunko

夏至祭の頃

夏至祭の頃

ビョルゲ事件が、初めから混迷のうちに出発したごとく、この事件もまたいくたびか暗礁に乗り上げて、幾度何遍嬢はこの事件から手を退こうかと気弱く、投げ出しかかったか知れぬ。そして毎日、懊悩の日を送っていた頃のある日、例の検事のベルグランド・ハルトアン小父様に連れ出されて、アンデルセン街の自由人倶楽部で、小半日ばかりを息抜きさせられたことがある。もちろんハルトアン氏は、嬢がドラーゲ公爵家の事件に没頭して、苦心し切っていることを知っている。

「国家警察局の腕利きたちでさえ、四人も五人もかかって埒口のあかんことが、女のお前にそう楽々と解決のつくわけがないじゃないか。ま、焦らずに、ゆっくりやるさ。さ、昼飯でもやろう。くよくよせずにつき合いなさい、つき合いなさい」

探偵の苦労というものを熟知しているこの検事には、親の亡い娘の身で、苦労し抜いている亡友の子への不愍さが加わっているのであろう。酒好きだから、料理を前にして大好物のスナップスに眼を細くしている。めったに嬢は、こんな倶楽部へは来たこともないが、検事はしょっちゅう顔出ししていると見えて、

「やあ、しばらくでしたな。