Classici giapponesi con furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.361 caratteri · 483 schermate
七 市街地へ向って
そして、こうした無人の家は、我々のはいったこの家ばかりではなかったとみえて、やがて茫然と佇んでいる我々の傍へ、他の家を見終った軍医長たちがドヤドヤとはいってきたが、「廃墟だな! 素晴らしく豪華版の廃墟だな。まるで絵で見るポンペイの廃墟だな」とキョロキョロその辺を見廻しているだけで、廃墟とはいえあまりにも見事な麗しさに、我ら同様ただ茫然として眼を瞠っているだけであった。
かくして我々はまた、陽光眩しい戸外へと踵を返したが、兵員たちはせっかく再生の喜びを抱いて上陸した陸地が無人の廃墟であり、そこから土人の娘一人飛び出してくるでもなければ、犬一匹吠え付くわけでもないのに落胆したのであろう。叉銃して叢に煙草を吹かしながら大欠伸をしたり、草原に寝転んでその辺に枝も繞に実っている野生の葡萄に口を動かしたりしているのであった。
七 市街地へ向って
さっきも、我々はこの陸地の気候を灼熱した亜熱帯的の太陽が頭上に輝いていると言ったが、まったくそれは西班牙か伊太利のごとき南欧諸国七月初め頃の、茹るような暑熱であった。
絶えず微風が面を撫でて、空気は爽やかではあったが、佇んでいても、ぽとぽとと膏汗のにじみ出てくるほどの暑さが感ぜられた。