Classici giapponesi con furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.361 caratteri · 483 schermate
にっこりと靨を刻んで、人を逸さぬ調子で話しかけてくる。
「お嬢様は、どちらまで、おいでになりますの?」
「ハ、わたくし、あの……巴里まで、まいります」
「まあ巴里まで、わたくしブレーメンまでまいりますのよ、ではしばらく御一緒に、まいれますわね。……いいですわ、今頃おいでになりますと、巴里はまだまだ暖かですから、シャンゼリゼーなぞ、さぞ賑っておりますでしょう、いいですわねえ」
と、恍惚と眼を細めた。
「わたくしも子供の時分巴里で育ちましたから、いつまでたってもあの景色、忘れられませんわ」
と独語のように呟く。
「巴里はどちらにいらっしゃいましたの?」
と今度は、外務次官の令嬢が問う。
「ハア、あの、拉丁区にねえ、セーヌを越して、エッフェル塔や凱旋門の見えますあたりにねえ……父が永らくあすこで、商売をしていましたもんですから。ほんとうに懐かしい所ですわ」
水の流れるように、爽やかな声音であった。
パチンと、宝石を鏤めた琥珀の煙草ケースを開く。
「いかが? お嬢様、お一つどうぞ」
自分も一本抜いて、フーッと薫り高い息を吐き出した。丁抹では、コペンハーゲン市のことを商人の都と呼んでいる。