Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.361 caratteri · 483 schermate

Aozora Bunko

皆さん方へも、一杯差し上げたらどうだ!」

「伯爵、家宅捜索をしますから、お話はなるべく簡単に願いたい」

と堪りかねて、次長が口を挟んだ。

「我々は遊びに来ているのではないのだから一切頂戴しない」

「まア、そう堅苦しいことを言わんで、もう少しゆったり、構えたらどうだ。諸君の向い合ってるのが、コソ泥棒でないとしたら、もう少し諸君も相手の気持を、尊重したらどうだ。諸君の方で逮捕なぞと、野暮を言わぬからわしも諸君の手数を省こうと言うとるのだ。もそっと前へ、出たまえ! 全部解きほぐしてある。その一番前のが、一九四六年ヘンメル家から、頂戴して来たものだ。その上のが」

もちろん誰も、この芝居気たっぷりの気障な伯爵の言葉になぞ、乗ったわけではない。がヘンメル家と聞いた途端、拳銃片手に思わず旅行鞄の中を覗き込んだ。ゴンザレツが三鞭を酌いで廻る。

「さ、諸君、洋杯を挙げたまえ! 基督最後の晩餐ということはあるが、これが伯爵ステーンセン追放のお別れだハハハハハハ」

取ってつけたような笑いだけが虚に響いて、もちろん誰も酌がれた洋杯に手を出すものもない。伯爵ひとりで主人席に突っ立って、洋杯を挙げているばかりであった。