Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たなださいばんちょうのかいし

橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate

Aozora Bunko

期していたこととはいいながら、寂寥とも寂莫とも、何ともかともいいようのない孤独さです。ただ夏草だけが、人の胸のあたりまでも茂って、松の梢を鳴らしてゆく風の音が、魂に沁み入るような気持です。

が、目前に迫った彼女たちとの再会に胸を躍らせて、別段私は淋しいとも思いませんでした。淋しいどころか! 今日来るとも予期していない彼女たちの背後へ回って、ワッと驚かせてやる時のことを考えると、喜悦で胸もハチ切れんばかりの思いです。優しいジーナは、あの艶やかな眼に涙ぐんで、凜々しいスパセニアは、涼しい瞳に一杯涙を溜めて、さぞびっくりして喜んでくれるでしょう。

鬱蒼とした山の陰が、いよいよ眼の前に近づいて、いつか初めてスパセニアに連れられた、あの白砂利の道に出て来ました。左手へ曲ったそこに、いよいよ御影石の舗道が見えて……、もう歩いているのももどかしく、私は走り出しました。

見覚えのある太い門柱が、陽を浴びて立っているのが眼に入ってきました。叫びたいのを我慢して、一気に駈け上って行った途端……呀っ! と叫んで、私はへなへなと崩おれてしまいました。見よ、見よ! あの瀟洒な家が全部燃え落ちてしまって! ただ二本の門柱と鉄柵のみが、悄然と立っているばかり……そして焼け跡には、混凝土の土台だけが残っているばかり! 眼に入る限り、荒涼