Classici giapponesi con furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate
一
と瘠せ衰えた頬に、ポロポロ涙を伝わらせながら蒲団に顔を隠して、枯木のような手を差し出した。その手を握りながら、病人の話しやすいように、もう一膝私が乗り出したといったならば、もはやこれ以上くだくだしくいわずとも、この物語がこの病青年から出たものであるということは、読者にもおわかりになったであろうと思われる。病人が亡くなったのは、その時訪ねて三日ばかり間を置いて、もう一度訪ねてから都合二回の私の訪問の後、おそらく一週間か、十日目くらいではなかったかと思われる。
今でも眼を閉じると、持っていった薔薇を喜んで花瓶に挿して、その日薔薇の花弁より、もっともっと青白い顔で天井を瞶めながら、喘ぎ、ポツリポツリ、話していたあの時の姿が、眼に見えるような気がする。では、青年の話へ移ることにしよう。
ただし、物語の性質が性質だけに、現住の人々に迷惑をかけてはいけぬから、土地の概念だけは適当に私が変化しておくことにする。その辺に無理が起るといけぬから、あらかじめ御諒承を願っておこう。
一
「私がそこへいったのは、ちょうど医学部の三年になったばかりの頃……二十二の時でしたから、今から三年ばかり前……まだ身体が丈夫で、元気一杯の時だったのです」