Classici giapponesi con furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate
はしがきの二
と母親は縁側に佇んで、おろおろしている。それを見ながら私が考えたのは、なるほどそういう長い病気では、手紙を書くというわけにはゆかぬであろうが、せめてもう少し気の利いた使いでもよこして、事情さえ説明してくれたら、私ももっと早くにそんなに病気の重くならぬうちに、飛んでいったものを! と、何だか胸を噛まれるような気持がしたことであった。
ともかくこれが、柳田というその青年の家へ足を運んだそもそもであったような、気がする。三年前の五月頃……薔薇の花の、真っ盛り時分であった。
はしがきの二
私が行くことになったので、喜び切っている母親から、車の中で聞いたところでは、その青年は病気になるまで、東大医学部の三年に在学していたということであった。
「ではお友達たちはもうみんな、一人前のお医者さんになってますね」
といってから、心ないことをいったと、自分でも後悔した。
「それはもう、皆さん……免状もお取りになって……」
といいさして、案の定、母親は声を呑んで、賑やかな通りに眼を落している。その放心したような淋しげな横顔が心を打ったから、
「清瀬村の病院へ行くと、肋膜の骨を切って直すとか、やってるそうですが、そんなことをなさっても駄目ですかね?」