Classici giapponesi con furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate
九
姿を見失った淋しさは、食い入らんばかりの寂寥を伝えてきましたが、もともと、九州の山の中にいるジーナが、こんな東京の真ん中になぞ、いるはずもないことですし、いわんや、東京へ来るという一言の挨拶もなしに! やっぱり心の底で考えてるから、こんな錯覚が起るのか知ら? と、苦笑しいしい帰って来た時の気持を、今でも忘れることができません。
九
が、苦笑はしても、ジーナが東京にいるはずがないとは思いつつも、今でもその時のことを思い出しさえすれば、どうしても私にはあれが単なる私の幻覚や人違いだったとは、絶対に考えられないのです。キラキラした髪……挙措、恰好……ちらと横から見た、睫毛の長い眸……優しい頤……決して決して、私の幻覚や見誤りなぞでは、ないのです。しかもジーナが東京にいるはずはなく、こんな奇怪なことがまたとあり得ることでしょうか?
早速私は、大野木郵便局気付で、ジーナへ電報を打ちました。まだそこにいるかどうか? そして返事は電報でなく、手紙で欲しい! と父母の眼を憚って書いてやりました。が、いくら待っても到頭返事は来なかったのです。しかも、その返事も来ないうちに……無理にコジツケテ、ジーナはあるいはその時の私の幻覚だったかも知れないとしても、それならばその電報の返事も来ないうちに、またもや起ったもう一つの不思議