Classici giapponesi con furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate
なむまいだぶ……、なむまいだぶ……と、六蔵の念仏のみが、痛切に胸に沁み込んでくる。合掌して、焼け跡から折り取って来た生前遺愛の蔓薔薇を供え、香を焚く。運命の人よ! 八十年生きるも百年生くるも、人の世はすべてこれ夢! 地上すべての煩しさを断って、悠々と安らかなる眠りを眠られよ!
牧田氏の知らせによって四里の道を越えて故青年の所謂、伊手市どん……水の尾村の石工、吉永伊手市氏と、肥後屋の亭主、半田藤五郎氏が来てくれる。藤五郎氏が背負って来た弁当を、自動車中で認めて、いよいよ姉妹の墓に詣ずるべく湖岸を西に向って歩き出す。
故石橋氏の遺志を継いで、東水の尾岬一帯を水の尾村営の温泉観光施設とすべく、すでに水の尾より二里ばかりの間は、自動車路が完成したという。が、こちら側はまだできていないから、これから一里半ばかり姉妹の墓のあるところまでは、歩かなければならぬ。
「湖は、真ん中よりもかえって、この辺の方が深いでがして……」と六蔵が教えてくれる。
「スパセニア嬢様の死体は、発電小舎の近所から上がったでやすが、ジーナ嬢様の死体は、ついその辺から上がったでがして……」